「フマキラー キッチン用 アルコール除菌スプレー」と「カビキラー アルコール除菌 キッチン用」の2商品は、大体どこのドラッグストアにも置いてあるキッチン用除菌の定番商品です。ありがたいことに、コロナ禍初期の物資が欠乏していた時においても、大企業ならではの調達力で比較的供給が保たれていました。
そんな「フマキラー キッチン用 アルコール除菌スプレー」と「カビキラー アルコール除菌 キッチン用」、これまで「何となく安売りしているから」と適当に選んでましたが、どのくらい仕様や使用感に違いがあり、どちらが自分に合っているのか比べてみました。
フマキラー キッチン用 アルコール除菌スプレー(以下フマキラー)の概要
外観
フマキラーはイエローを基調としたデザイン。グレープフルーツをイメージしていると思われます。
成分
発酵アルコール/グレープフルーツ種子抽出物/緑茶抽出エキス
アルコールが除菌、グレープフルーツ種子抽出物が除菌の維持、緑茶抽出エキスが消臭効果を発揮するようです。
容量と価格
フマキラーの容量と価格の展開は以下の通りです。実売価格は執筆時のヨドバシドットコムを参照しています。
- フマキラー キッチン用 アルコール除菌スプレー 400ml
参考価格(定価):495円 実売価格:495円
- フマキラー アルコール除菌キッチン用アルコール除菌スプレー つけかえ用 400ml
参考価格(定価):385円 実売価格:336円
- フマキラー キッチン用 アルコール除菌スプレー つめかえ用 720ml
参考価格(定価):660円 実売価格:660円
- フマキラー アルコール除菌キッチン用アルコール除菌スプレーつめかえ用 5l
参考価格(定価):3,828円 実売価格:3,450円
詰め替え用の720mlは通常の400ml2つ分よりも20%"も"容量が少なくなっているので、販売価格によっては400mlを2つ購入するほうがお得かもしれません。
カビキラー アルコール除菌 キッチン用(以下カビキラー)の概要
外観
カビキラーはブルーとホワイトのさわやかカラー。形はちょっと角ばっていて、ごつごつとしたイメージです。
成分
発酵エタノール/クエン酸 ナトリウム/乳酸/精製水
発酵エタノール(=アルコール)が除菌、クエン酸ナトリウムと乳酸が除菌の維持効果を発揮するということです。
容量と価格
カビキラーの容量と価格の展開は以下の通りです。実売価格は執筆時のヨドバシドットコムを参照しています。
- カビキラー アルコール除菌 キッチン用 400ml
参考価格(定価):オープン価格 実売価格:360円
- カビキラー アルコール除菌 キッチン用 詰め替え用 350ml
参考価格(定価):オープン価格 実売価格:303円
- カビキラー アルコール除菌 キッチン用 詰め替え用特大 630ml
参考価格(定価):オープン価格 実売価格:530円
フマキラーより価格はやや低い傾向ですが、カビキラーはフマキラーよりも詰め替え用の容量の減少が大きいです。通常サイズの詰め替えでも350mlなので、元の本体の内容量よりも約12%少なくなっています。特大はさらに少なくなっていて、本体の容量の約1.6倍しか入っていません。
パッケージに「通常の約2回分」と書かれたら本体(400ml)の2倍をイメージしてしまいますが、630mlしか入っていないのは誠実ではないと感じました。ただし、値段は相応に割引されているので購入しても損をするわけではありません。
フマキラー とカビキラー のキッチン用アルコールの比較
デザインや使い心地の違い
ノズルのデザイン
使う上で大きな違いとなるのはノズルのデザインです。
フマキラーはノズル部分の模様だけで表示しているので「ON」「OFF」がかなり見づらいですが、カビキラーは「ON」「OFF」が黒で印字されており、視認性が高いです。この点はカビキラーのほうが見やすく、使い手に優しいと思います。
操作性
まず持ってみて違いがわかるのは、トリガーの長さです。ぱっと見の見た感じでは、ほとんど違いが判りませんが、握るとかなり握った感じが異なります。
フマキラーのほうは人差し指と中指の2本でホールドできるのに対し、カビキラーのほうはトリガーがやや短く、中指が少しトリガーから外れる感じがします。
指の太さ次第なので個人差があるとは思いますが、自分はフマキラーのほうがしっかりホールド出来て握りやすいと感じました。
また、トリガーの引きシロも違い、フマキラーのほうがストロークが長いようです。カビキラーはトリガーが途中で止まる感じがして物足りない感じがします。
個人的にはフマキラーのほうがしっかりとトリガーを引いた感触を得られるので、指が2本掛かるホールド感も併せて使いやすく感じます。
液体の性質の違い
シャーレに入れてくらべてみました。
フマキラーのほうがさらっとしていて流れていきます。カビキラーはとどまる感じ
実際手についた感じもフマキラーのほうがさらっとした感じで、カビキラーのほうはぬるっとした感触(カビキラーがべとべとするわけではなく、あくまでぬるっとした感触)
アルコール濃度や粘性の違いで、蒸発の時間に差異があると予想してましたが、ほとんど変わらないようです。
アルコール濃度
フマキラーのアルコール濃度は49v/v%と公表されています。
一方のカビキラーについては、なぜかかたくなにアルコール濃度の公開を拒否しており「業務用製品を除く一般製品の中ではアルコール濃度が高い方であることを確認しています。」としか発表されていません(執筆時点)。
容量と価格の違い
販売店や時期によって価格は変わるため、あくまで参考程度ですが、執筆時点のヨドバシドットコムの価格を基準に1mlあたりの価格を計算すると下記のようになります。
商品 | 容量 | 価格(ヨドバシ) | 1mlあたり価格 |
フマキラー 本体 | 400ml | 495円 | 1.24 |
カビキラー 本体 | 400ml | 360円 | 0.9 |
フマキラー 詰め替え | 400ml | 336円 | 0.84 |
カビキラー 詰め替え | 350ml | 303円 | 0.87 |
フマキラー 特大 | 720ml | 660円 | 0.92 |
カビキラー 特大 | 630ml | 530円 | 0.84 |
フマキラー 業務用 | 5L | 3,450円 | 0.69 |
味の違い
自らの舌で味わってこそ食品向け消毒アルコールの真の価値が分かるというもの。「食器にかかっても安心」ということなので、軽くテイスティングしてみました。
まずはフマキラーの味から。消毒用アルコールらしい鼻にツンとくる感じがしますが、高濃度のアルコール製剤(70%over)に比べてややマイルド。味はやや苦みがある感じでしょうか。グレープフルーツ種子抽出物あるいは緑茶抽出エキスの味なのか、はたまたパッケージから勝手にそう感じているだけなのか。とにかくほんのり苦みを感じます。
続いてカビキラーを味わってみました。カビキラーはフマキラーよりもアルコール感がマイルドな感じがします。味は雑味というかエグ味を感じてかなりおいしくないです。添加物の味がまずいのかわかりませんが、フマキラーのほうが味はいいと思います。
ちなみにどちもパストリーゼと比べると、パストリーゼのほうが明らかに美味しいです。パストリーゼの味わいレビューはこちらで。
比較結果とまとめ
デザイン(見た目)
ノズルのデザインはカビキラーのほうが見やすくて良い。カビキラーの勝ち
デザイン(使い心地)
フマキラーのほうがトリガーのストロークと長さが快適に感じる。フマキラーの勝ち
アルコール濃度
フマキラーは49v/v%、カビキラーは不明。フマキラーの勝ち
容量と価格
通常パッケージの1mlあたりの単価はカビキラーのほうが安い。ただ、カビキラーは詰め替え用の容量が少ないのを考えるとフマキラーのほうが好感が持てます。また、フマキラーは5lという業務用レベルのサイズもラインナップされています。フマキラーの勝ち
味
フマキラーのほうが若干ましな程度。引き分け
総合結果
あくまで主観ですが、フマキラーのほうが全体的に勝っていると感じます。これからは安易に安売りで選ぶのではなく、フマキラーをチョイスしていこうと思います。
【おまけ】フマキラーとカビキラーの容器の互換性はあるのか。
似たような商品を手にしてしまうと、それぞれパーツの一部を入れ替えることができないかカスタマイズを試してみたくなるのが人間です。両容器を見比べた感じではノズルと本体を入れ替えられそうなので、試してみました。
もはやどちらをカビキラーまたはフマキラーと呼べばいいのかわかりませんが、どちらも特に引っかかることもなく普通に入れ替えることができました。ツートンカラーになり雰囲気がちょっとポップでオシャレになった気がします。
ただし個人的には使い心地も成分もフマキラー推しなので、機能面に関しては入れ替えをする必要性はないと思います。
入れ替えたまま使っても普通にトリガーが引けて、噴射もされ、特に問題は発生しませんでしたが、長期的に使用するとノズルが壊れるかもしれません。液が漏れるかもしれません。思わぬ事故になるかもしれません。当たり前ですがメーカーも非推奨です。自己責任でお願いします。
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